バイオディーゼルとしての大麻油

ひまわり油などのバイオディーゼル利用情報は検索するといくらでも出てくる。ここでは検索しても情報の出てこない、大麻油(ヘンプ・オイル)を軽油として利用する情報をまとめていく。

概要

他のバイオディーゼルと違って絞るだけで使える、化学処理がいらないという特性がある(誰でも使える)。ヘクタールあたりの生産量は他の作物よりも少ないが、雑草のように強靭な植物と言う人もいる。なので適当な空き地で生産できる(どこでもできる)。日本に自生しているものは麻薬を非常に微量しか含まない。

加工方法

http://en.wikipedia.org/wiki/Hemp#Fuel
Filtered hemp oil can be used directly to power diesel engines.
http://en.wikipedia.org/wiki/Hemp_oil
Hempseed oil is pressed from the seed of the hemp (cannabis)

”directly”と書かれていることから、種を絞ってカスをフィルターするだけで使えるようだ。他の菜種油のように廃棄物(?)が出る化学加工(メチルエステル化)が必要という記述は見つけることができなかった。ただしそのままではパワーが出ないので精製が必要と以下では言われている

他のバイオディーゼルとの比較

ヘクタール当たりの生産量

比較表が以下で見られる
http://en.wikipedia.org/wiki/Biodiesel#Yield
hemp(大麻)は242L/hと他と比べて生産量が少ないように見えるがHempの項目のみ[citation needed]となっていて情報源がない。この資料ではヘクタール当たり440リッターと書かれており、日本の環境に適していると言われる菜種油の半分程度となっている。化学処理で除去される成分を除いた生産効率比較表はみつけれなかった。次の成分比較から推測すると精製後の油についてのヘクタールあたり生産量は菜種油と同程度ではないかと推測される。

成分の比較

http://www.airgreen.co.jp/catalogs/hemp.pdf

大麻油は、約10%の飽和脂肪酸と約90%の不飽和脂肪酸からなっております。植物油の中で最も不飽和脂肪酸を含んでいる油です。

化学処理で取り除かないといけない成分が,大麻油は10%しかないので精製がいらないようだ。バイオディーゼル燃料と飽和脂肪酸の関係については以下の参考資料がある

Wikipedia菜種油によるとは品種改良された菜種油では飽和脂肪酸が20%のものあるようだ。しかし標準的なものは40%と多いようだ。品種改良された菜種油のヘクタールあたり生産量情報はみつからなかった。

絞りやすさ

http://www.airgreen.co.jp/hemp/hemp%20usage.htm
種子の重量に対して35%の油を取ることが出来る。

絞るのが大変ではないように推測できる。


その他の特性比較

http://en.wikipedia.org/wiki/List_of_vegetable_oils#Oils_used_for_biofuel ではhemp(大麻)を含む様々なバイオディーゼルの特性が一行ぐらいの文で説明比較されている。大麻は法律の関係で生産しにくく、沸点が高いと欠点のみが説明されている。


燃費

最近のディーゼル車は燃費が非常に良いようだ

http://www.carview.co.jp/green/report/road_imp/nissan_xtrail/225/
10・15モード燃費=14.2km/L

これは一般的な軽油を使った場合の燃費だろう。精製しない大麻油では少しパワーが落ちると他の記事で書いてあったので、これより少し落ちるぐらいだろうと推測される。

検索キーワードやwikipediaや情報隠ぺいの痕跡など

これ以上の情報が調べても出てこなかった。様々な情報の隠ぺいの痕跡がみられたので以下に述べていく

WikipediaのHemp oilの情報を日英で比較すると日本語版だけ異常に少ない

ヘンプ・オイル

検索キーワードとして日本語のものはほぼ期待できないと推測できる。検索キーワードとしては以下が良いと思われる

Hemp oil , hempoline , Cannabis , hemp

なお英語wikipediaのhempolineの項目が削除されていたり、hempの項目からhemp_oilの項目間へリンクが存在しない等のことから推測できるように、英語で検索しても十分な情報は得ることができない。hempolineで検索するとgoogleキャッシュのみで削除されたサイトが検索上位に出てくる。

英語wikipediaの問題

英語のwikipediaでHemp oil関連の記述をよく読んでいくと、次の様な事象が良く見られた。

  • 「Aの詳細ついてはBを読むこと」
  • Bの項目が見当違い(ほとんど化学式しかない等)、または項目そのものが削除されている

結果的に情報が一見するとあるように見えるが、実際にはどこにも書いていないという状態になっていた。一見すると誰かが既に説明を書いているような印象を受けるため誰も書かないのだと思われる。本まとめの情報があまり多くないのもそのためである。

大麻種子画像が乾燥種ばかりの謎

大麻種で画像検索すると乾燥種ばかりで、ひまわりの種のように絞るのが大変なもののように感じてしまう。しかしこれらの画像をみると
http://marijuana.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-22d4.html
http://thebeachganja.blog22.fc2.com/blog-category-1.html
http://www.geocities.jp/sioki2000jp/deai-6.html
オリーブに近い形状の様に見える。しぼるのはさほど大変なわけでもない?

もしも絞るのが向日葵の種並みに大変だったら、インディアンや日本でも古くから広く使われてきた理由の説明をつけるのが難しい。

日本語Wikipediaバイオディーゼルの項目の嘘

加工方法の項目で述べたことを信じるなら、日本語Wikipediaバイオディーゼルの項目で、生産の過程で実質的に廃棄物と同様の物が出るのであまり利用されていない、という記述は間違いとなる。同ページの「原料による性状の差異」http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%82%A4%E3%82%AA%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%82%BC%E3%83%AB#.E5.8E.9F.E6.96.99.E3.81.AB.E3.82.88.E3.82.8B.E6.80.A7.E7.8A.B6.E3.81.AE.E5.B7.AE.E7.95.B0ヘンプ・オイルの説明がないのもそのためと思われる。

その他

医薬品としての大麻の日本語情報は以下のサイトが非常にまとまっている
http://asayake.jp/

大麻油の「有用性」に反論されたので議論となった http://mixi.jp/view_bbs.pl?comm_id=810120&page=30&id=44829712


大麻ヒステリー (光文社新書)

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