送料込み3万円の蒸留装置(蒸留塔) Euro 5 Reflux Still
ニュージーランドのspiritsunlimitedという会社が蒸留塔(アルコールのような水と分離しにくい液体を分留する装置)を
2万円と少し(送料込み3万ぐらい)で販売している。マニュアルが英語なので、この装置の日本語解説をここに書く。基本的にspiritsというお酒を作る機械なのだが、他の蒸留にも流用できる
使い方
ネットで購入すると約2週間ぐらいで日本に到着する。マニュアルにはアルコールと水の分離方法しか書いていないが、フローラルウォーターなど様々な物の蒸留や分留に使える(おそらく劣化灯油などにも使える。灯油の匂いがついたらもう飲み物には使えないけど)。
組み立て
分解された状態で郵送されてくるので、最初は組み立てから始める。組み立て手順は管をプラスチックの穴に差し込むだけなので簡単だが、かなり力をかけないとささらない。お湯などでプラスチックをやわらくしてから管を差し込むといいだろう。この時プラスチックの反対まで完全に管がつきぬけないように注意しながら差し込むこと。反対まで突き抜けると蒸留過程が不安定になる。
その後チューブを規定の場所に差し込む。これも一緒に送られてくる図の通りにさせばいいだけ
- ホームセンターで売ってる内径7mm,8mmのシリコンチューブも同じ場所にささる。ホームセンターで100円/mぐらいで売ってる。長さが足りない時はホームセンターで買ってくればいい
電源コンセントの形状が日本と違うので、海外の家電を日本で使うための変換機を買わないといけない(電圧は変更しなくてもいい)。例えばこれなどが使える
使用方法
蒸留したい液体をタンクに入れて、冷却管に水を流しながら電源オンで加熱するだけ。ただし次の点に注意。
- スイッチはない。コンセントを挿したら加熱が始まる。
- タンクの8割以上まで液体を満たすこと。またタンクのいっぱいいっぱいまで入れてもダメで9割ぐらいで少しスペースが空いているぐらいが良いようだ
- アルコール蒸留の場合だと4.5リットルの液体を80度まで加熱しないといけない。これは1時間ぐらいかかるのでキッチンタイマーで40分ぐらいで自動で切れるようにしておいたほうがいい
- 冷却水を流しながら加熱するので水が無駄になる。あたたまった冷却水を風呂に流し込むと無駄がなくてお勧め
- 温度計が80度ぐらいになったら冷却水の水量を微調節して温度計が80度ちょうどぐらいで止まるようにする。その後1時間ぐらい放置。あとは電源を切って、残った液体を捨てる(再利用してもいいけど)。
- 最後にお湯で洗いましょう。腐食するそうです。石鹸は使ってだめだそうです
- フローラルウォーターが作りたい場合はマニュアルの温度80度を90度に置き換えればできるようです。
- 最初は絶対失敗するので水で練習しよう
- 一度加熱が始まるとさわれない。開始する前にチューブの配置や方向に注意。チューブが出口の真下にきて蒸留液が別な場所にたれていくことがある。
- この動画を参考にしましょう。 動画の後半1/3ぐらいが蒸留作業です。使っている機械はここで紹介しているもののさらに大容量版ですが使い方は一緒です。
一緒に購入しておくと便利なもの
送料だけで1万ぐらいとられるので、以下のものを一緒に購入しておくといいかもしれない
- Alcohol/Water Hydrometer - Glass アルコール度数90%までの濃度を測定できる。同様の装置が国内で安く売ってないようないので、一緒に購入しておくのをお勧めしたい。アルコール度数10%をゼロに判定するなど、度数の低いものの測定精度は悪い。
- 日本国内では手に入らないスーパー酵母という奴がもし買えるなら買っておいたほうがいい。詳しくはこの記事に書いた酒の合法密造方法を発見: これで税金ゼロのガソリン代用品も作り放題?
- Superbrew Yeast & Nutrients
自動運転
4リットルのアルコール水溶液(酒)からアルコールを蒸留するのに長くて3時間ぐらいかかる。この間、ずっと機械にはりついてるのは苦痛なので、これを自動化する方法を紹介する。必要なものは
- キッチンタイマー(なんでもいい)
- 燻製料理用のサーモスタット http://www.r-tec.co.jp/s_products/sms204.htm
- 水道の水漏れを塞ぐ粘土(ホームセンターで800円ぐらいで売ってる)
- さらに冷却水の停止も自動で行いたい場合は
- 熱帯魚用の外部フィルター(部品交換用のポンプだけでもいい。ポンプだけなら1500円で買える)
準備
- 装置の一番上に温度計がささっているので、これを抜く
- 温度計の代わりにサーモスタッドの温度センサーを入れる
- センサーのまわりのすきまを粘土でふさぐ
- 電源をサーモスタッド経由でつなぐ
- その電源の元にさらにキッチンタイマーをつける
- キッチンタイマーに3時間ぐらいで止まるようにセットする
これで準備ができた。あとは冷却水を流しながら電源をいれるだけだ。つなぎかたが間違いなければ放置でも蒸留が暴走することはない。時間は気温等によって3時間より長くなったり短くなったりするが3時間にセットするのが一番無難と思われる。寝る前にタイマーをかけてもいいが、キッチンタイマーが切れても水道は止まらないので朝みると風呂があふれていることになる。
-
- 冷却水の自動停止もしたい場合は熱帯魚用の外部フィルター(のポンプ部分だけ)を使う。やり方はは、まず冷却水の入り口にポンプをつなぐ。粘土といらなくなった蛇口の先を使うと簡単につなげる。この時、粘土が冷却系の中に流れていかなように注意。つまって大変なことになる。つないだら風呂に水をためて、ポンプで風呂から冷却水を流し込む。冷却水の出口も風呂にする。それからポンプの電源をキッチンタイマーにつないで、ポンプもタイマーで切れるようにする。これで全自動にできる。風呂の大きさにもよるだろうが3時間冷却しつづけても風呂はつめたいままなので問題なく冷却できる。