「選択的に厳密」とは

特に「科学」という単語が出てくる詭弁(似非科学批判や放射能関連など)で頻繁に見られる詭弁手法で

選択的に厳密

と呼ばれる方法がある.
https://twitter.com/a_laragi/status/537987443870289920

具体的には

どこをどのぐらい厳密にするかで結論を変えることができる

という詭弁方法だ.

この原理を解説する.この詭弁方法は次の計算を見ると良く理解できる

1/3 -1/3 = 0

この計算を

「1/3=0.33333333とした.
こんなに正確に近似したんだから”科学的”だ.
ところで-1/3は四捨五入で0にするのが妥当だろう」

つまり

1/3 -1/3 = 0.33333333 - 0 = 0.33333333

とするのが「選択的に厳密」と呼ばれる詭弁手法だ.
特定の場所だけ「厳密に」つまり小数桁を多くすると,結論を変えられるのがミソ.
嘘を見破られないように

1/3 -1/3 = 0.33333333 - 0.33 = 0.00333333

みたいにされてることもある.

どこをどのぐらい厳密にするかで結論を変えることができるのがこれでわかる.

答を好きな値に自由に調節することもできる

(大きい数字,ここでは1000ぐらいにしておこう)*(1/3 -1/3)
 = 1000*(0.33333333 - 0.333)

などとすると答を任意の数字にできる.
答を3ぐらいにしたかったら

1000*(1/3 -1/3) = 1000*(0.33333333 - 0.33) = 3.33333

答を30ぐらいにしたかったら

1000*(1/3 -1/3) = 1000*(0.33333333 -  0.3) = 33.33333

答を300ぐらいにしたかったら

1000*(1/3 -1/3) = 1000*(0.33333333 -  0) = 333.33333

とすると良い.

選択的に厳密なると答を好きな値に自由に調節できる.

この詭弁方法は一見すると論理矛盾はないように見えるため,特に論理を絶対視する人達を騙すのに適した方法となっている.例えばポリティカルコレクトネスの議論で類似した詭弁方法が良く見られる.