印象操作漫画ができる仕組み

概要

最近、どう考えてもこれは印象操作か煽動が目的だろうというアニメや漫画をみかけることが多い。どういうプロセスでそれができるのか考えてみた。それには受動的なものと能動的なものがある。

本文

 ホーリーランドという人気格闘漫画がある。あらすじは、主人公がイジメに打ち勝つために格闘技をマスターして、いろいろなものに反逆していくというものだ。こういう漫画は、特に私みたいな社会下層のいじめられやすい層に強い影響を与える。
 主人公が様々なものに反逆していくんだから、きっと最後はすごい敵に挑戦するに違いないと期待していた。例えば宮崎学氏みたいに、学生運動で学校や社会に歯向かい、やりすぎて共産党も追放されて、その後も様々なことに挑戦するとか、そんなラストが一番おもしろい。
 しかしラストは主人公は「社会のルール」よく従う単なる「いいこちゃん」になって終わる。「なんだこれつまんねえラスト」と思ったの私だけではなかったらしく、雑談系掲示板で意見を聞いたら同じような感想の人は結構いた。もしもホーリーランドを読んだ事がないのなら一度読んでみてほしい(少なくとも前半は非常に面白いから読む価値がある)。そしてこのラストがつまらないという点には、ほとんどの人が同意してもらえると思う。
 ホーリーランドの作者が自分自身ついて語ったものを読んだことがある。それを読むと、こんなラストを書く人とは思えなかった。少なくともつまらないラストは書きたくなかったはずだ。同人誌だったら反逆しまくりなラストに絶対になったはずだ。商業誌という関係でなんらかの圧力(編集からのお願いとか)でこうなったんだろうと思う。この辺をおもしろおかしく描いた映画がラヂオの時間だった。

結果的に、この魅力的だったはずの漫画は、読者にこんな印象操作を与えることになる。

  • (この漫画を熱心に読んでしまうような社会的弱者は)「社会のルール」によく従う「いいこちゃん」になるのが正しい

この印象を実際の事件に適用するとこうなる

  • 前述の宮崎学氏みたいな生き方はけしからん
  • (えん罪で)有罪になった鈴木宗男氏はけしからん奴だ(えん罪なのが重要なんじゃない、たとえ微罪でも法律を破ったじゃないか!!)
  • (えん罪で)逮捕された植草秀一氏はけしからん奴だ

少なくとも前半は非常に面白い漫画なので、そのまま疑問に思わず最後まで読んでしまうと、本当にこういう印象を持ってしまう。実際、2chのアニメ2板あたりで鈴木宗男などの話題ついて聞いてみると、本当にこういう疑うことを知らない人が沢山書き込んでくるのでびっくりする。作者はこんなことは望んでいないのはわかるけれど、結果的に(受動的に)読者を煽動してしまう。

一方、作者が最初から騙してやろうという意図(能動的煽動)の漫画もある。有名なのは東電雇われ漫画家の人の漫画とかだ http://shadow-city.blogzine.jp/net/2011/03/post_b36d.html

どう考えても煽動だろうというアニメや漫画をみかけることが多いけれど、原作者が犯人ではないこともあることを覚えておこう