中央分離帯から見える社会の仕組み

これから年度末にかけて道路工事を見かけることが多くなると思う。
道路工事の中でも特に、中央分離帯の設置工事は色々な点で面白いので、もし見かけたら注目して欲しい。

中央分離帯の何処が面白いのかというと、何処に切れ目があるのかという点だ。

はてなキーワード > 中央分離帯
http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C3%E6%B1%FB%CA%AC%CE%A5%C2%D3
道路の中央部に設置された構造物。通常上下線の境界部にガードレールや植栽による障害物を設ける。
正面衝突事故の防止、右折車の排除による渋滞の緩和等の効果がある。

事故防止の為に交差点以外には切れ目なく道路が分離されてるのかと思うかもしれないが、実はよくみると、大手の電気店などの前だけ何故か開けられてることが多い。つまり「渋滞や事故なんか気にしないで反対車線からもお店に入ってください」という運用が国道や県道でされているということだ。しかし大手ではない小さいお店の前は塞がれていることが多い。この違いはどこから来るのだろうか。

良心的な見方をするならば、中央分離帯で塞がれてない土地を選んで大手店舗が後から建ったんだと推測することもできる。しかし過去に見かけた中央分離帯の設置工事は、あきらかにお店が建った後で大手店舗の前だけを塞がないように中央分離帯が設置されていた(もし設置工事を見たことがないなら、地元に長く住んでいる知り合いに聞いてみよう)。

これからわかることの1つは、様々な解釈ができる条例や法律があったら、行政はどんな解釈を優先するだろうかということだ。例えば東京都の児童ポルノ規制条例は、様々な解釈ができる条例だが、非常に恣意的な運用がされないかという懸念がされている。この中央分離帯と同じように弱者に厳しい運用をされるだろうことは容易に予測できる。

曖昧な内容の法律や規則がどんな風に運用されるのかを知るために、ぜひ地元の中央分離帯を見てみてよう。