放射能内部被ばくの動物実験データを調べてみた

google scholarで以下のキーワードで文献を検索した

  • rat experiment poison Radiation internal caesium

主にセシウムによる放射能体内被曝の動物実験データを探した。自分は医学は専門じゃないので間違ってる可能性も大な事をあらかじめ断っておく


探したなかで一番役立つ情報があったのはこの文献

  • Evaluation of the effect of chronic exposure to 137Cesium on sleep--wake cycle in rats, Philippe Lestaevel et al. Toxicology Volume 226, Issues 2--3, 21 September 2006, Pages 118--125
    • http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0300483X06003982
    • 概要: セシウムが400Bq/kg入った水(200Bq/day)を90日ラットに与え続けて、「ぶらぶら病っぽい症状???」が出ないか観測した。それっぽい観測結果は出たけどさらに調査する必要あり
    • 結果としては体重などは微小量しか変化しないと論文には書いてある(自分には体重の減少が微小量に見えなかった 654±19g から591±16gへ減少ってかなり違わないか?)
    • ラットの睡眠や眼球の動きについてはセシウムを与えて30日後には大きく減少するが90日後に再度増加するという謎現象が観測された
    • 脳波(EEG)の反応については90日後には非常に増加した。
    • なお45Bq/kg X 30日ではラットに何も変化なかった(本当?実験の詳細なかった。体重の件もあり信用できない)
    • brain stemというところにセシウムが蓄積することを確認
    • 結論:よくわからないけど何か影響はあるっぽい?
    • 個人的な感想
      • 45Bqまで安全(これもちょっと信用ならないけど)で400Bqは危険に思える。政府の100Bqってどういう基準で決められたの?
      • 実験は90日しかやってないけどセシウムが脳の特定部分に蓄積するんだったら45Bqでももっと長期間やったら危ないのでは?
      • 2006年の時点でこれしかわかってないのに原発推進してたの?




以下は調べた関連項目のメモです。よく話題になるBandazhevsky以外で内部被爆動物実験は上記以外だと、かなり昔の研究しかみつかりませんでした。検索の仕方が甘いのかもしれまんが。外部被爆を内部被爆に換算する実験は除外しています。

  • よく話題になる Yu. I. Bandazhevsky Radioactive Caesium and Heart
    • 180Bq/kgで影響出てるようにみえる。この論文のどこがおかしいのかよくわからない。
  • Simultaneous reduction of radioactive strontium, caesium and iodine retention by single treatment in rats, Krista Kostial et al. Science of The Total Environment Volume 22, Issue 1, December 1981, Pages 1--10
    • 概要:85Sr, 137Cs and 131I などをラットに注射(???)して4週間後にどうなるか見たけど体重とかは特に変化なかった。違ったのは血液中のhaemoglobinの値が下がって肝臓の鉄の濃度が少なくなっただけだった。1981年だしこんなものか?
  • Effect of Some Therapeutic Agents on the Radionuclides Excretion from Internally Contaminated Rats, M. Aziz, Sh. A. Mangood and M. A. Sohsah,IX Radiation Physics & Protection Conference, 15-19 November 2008, Nasr City - Cairo, Egypt 275
    • 概要:Prussian blue とかいう内部被ばくを軽減するものがあるそうなのでその効果をラットで試した。

その他の役に立つか微妙な文献

  • http://www.atsdr.cdc.gov/toxprofiles/tp157-c3.pdf 
    • section 3.3に放射性セシウムの毒性について述べられているが、そんな実験データはないとか言っている。低線量被ばくの話はみつからなかった。
    • 3.3.1.7 Cancer 137CsCl が犬のガンにどう影響するか調べたそうな (Nikula et al. 1995, 1996). 64-147 MBq/kg (1.7-4.0 mCi/kg) で影響あるそうな?

補足

放射線内部被ばくの英語解説
http://en.wikipedia.org/wiki/Radiation_poisoning#Internal
検索キーワードをここで探して文献を検索するのに使った。直接には役立つデータはなかった。他にも使えそうな検索キーワード

low-level radiation and internal contamination