募金が現地に届かないのに復興税って言われてもねえ

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毎日新聞は16、17両日、全国世論調査を実施した。東日本大震災の対応のうち、福島第1原子力発電所の事故に対する政府の取り組みに対しては、「まったく評価しない」(23%)と「あまり評価しない」(45%)と合わせ、否定的な回答が68%に上った。原発から出ている放射性物質に関する政府の発表についても「信用していない」が58%に上り、原発事故に対する国民の不安・不信感が浮き彫りになった。被災地復興財源の確保に向けて、増税することについては「賛成」が58%を占め、「反対」(33%)を上回った。

 内閣支持率は22%にとどまった。今年2月に実施した前回調査と比べ、3ポイント上昇したものの、菅政権発足以来、2番目の低さで、非常時の政権の支持率としては低水準となった。内閣支持は民主党支持層でも63%で、支持政党なし層では17%と低かった。一方、不支持率は6ポイント減の54%と依然高く、引き続き不支持が支持を大きく上回っている。

 震災対応を巡り、「菅直人首相はリーダーシップを発揮していない」との回答は78%を占めた。「発揮していない」との回答は、民主党支持層でも54%に上る。被災地に対する政府支援については「評価する」が50%を占め、「評価しない」(46%)と拮抗(きっこう)。政府対応の評価が割れる中で、自衛隊の活動については「大いに」と「ある程度」を合わせた評価派が95%を占めた。自衛隊と米軍の連携が深まっていることに対しても「適切だ」が88%に達している。

 震災復興に対応するため、民主、自民両党が連立政権を組むことについては「賛成」(57%)が「反対」(32%)を上回った。支持政党別にみると、民主党支持層の69%、自民党支持層の51%が大連立に賛成。一方、公明党支持者は賛成が40%にとどまり、反対(52%)を下回った。

 日本の電力の約3割を原発でまかなう現在のエネルギー政策については「やむを得ない」が40%。「原発は減らすべきだ」(41%)と「全て廃止すべきだ」(13%)を合わせると、54%がエネルギー政策の見直しが必要との認識を示した。

 菅首相に「いつまで首相を続けてほしいか」を聞いたところ、「復興対策が一段落するまで」が53%と最多。「できるだけ早くやめてほしい」も26%を占め、「できるだけ長く続けてほしい」は14%にとどまった。政党支持率は、民主党が前回調査に比べ1ポイント減の14%で、自民党は横ばいの20%。与野党対決が続くなかで、「支持政党なし」も48%に及んでいる。【大場伸也】